遺言書を書く時に誰を相続人とするかは、法定相続人の中で相続人や相続割合を決めます。
法定相続人となる者のうち相続発生時、つまり被相続人の死亡時に生きている人しか相続人にはなれません。
法定相続人以外の者に財産を渡すこともできますが、それは相続ではなく遺贈という方法になります。

遺言書の中で誰に相続させるか書いているわけですから、遺言を書いてから相続人となる予定の者すなわち推定相続人に変更があると遺言書を書き直さなくてはならなくなることもあります。
そのため、遺言書の中で遺言書を書いた時点での相続関係をもとに遺言を書き、条件付きで、もし相続発生時に第1順位の相続人が死亡している場合は誰に相続させるというように場合分けをして遺言書を書くこともできます。

どこまで相続関係が変化することを想定して書くかはご本人次第ですが、あまり詳細に決めておく必要性は感じません。
二通りぐらいの相続関係で遺言書を作成しておいて、それ以上相続関係に変更があれば、その時は遺言書を書き直すという方が現実的かと思います。
これは相続関係にもよりますので、相続関係が複雑な方は専門家にご相談ください。

まずは、相続が発生しても問題が起きないような遺言書を作成しておいて、不備や自分の気持に変化があるのならいつでも書き直せます。
ただし、ご高齢の方の場合、いつでもと言ってもあまり高齢になってから書き直すと、その時に遺言能力があったのかどうかが問題になることがあります。
特に認知症などの疑いがある場合に遺言書を書き直すと、書き直した時点で遺言能力があったかどうかということで争いになることがあるため元気なうちに有効な遺言書を作っておく必要があるのです。

まだ早いかなと思うぐらいの年齢で遺言書の作成を進められた経験がある方もいらっしゃるかもしれませんが、こういう事情があるのです。