昨日、民泊の利用が低調だという記事を書きました。

民泊については法改正があった時にエアービーアンドビーなどで予約取り消しなどの騒ぎもあり盛り上がりに水を差す形になってしまいました。

このような許認可事業での規制による制約は他の業界にもあります。

タクシー業界です。

外国人観光客に対して違法な白タクを営業する外国人が増えています。

白タクの取り締まりは以前から行われていますが、母国の観光客を相手にすれば語学は問題ないですし同郷の人の値段の相場もわかっているので、仕事は取りやすいのだと思います。

そのため白タク営業をする人が跡を絶ちません。

これと区別がつきにくく許認可事業の規制による制約を受けてしまっているのがライドシェアです。

近くを走っている車をアプリで見つけ、料金交渉が成立すれば乗せてもらえるという仕組みです。

これを日本でやってしまうと白タクと区別がつかないため、海外のサービスをいきなり日本に持ってくることは今のところ出来ません。

技術革新があれば、職を失う人が出ても新たな技術に基づく製品やサービスに人々が移行して行くということが他の業界では普通に起こっています。

CDが発売されれば、レコードに関わるメーカーは変化を求められ、音楽データのダウンロードが主流になればCDのセールスも落ちてきます。

変化があると必ず適応して生き残れるわけではありませんが、許認可事業という既得権益に守られていると技術の変化に対応して自らを変化させていく力が落ちてしまいます。

かといって許認可という規制を守らなければ営業自体ができないわけですから、元々自由に競争しているわけではないので競争による適応力を高めるのにも限界があります。

許認可という規制の中で競争している事業者は環境の大きな変化を迎えると、これに適応できず突然梯子を外されたような気持ちになってしまうことでしょう。

規制の中で生活している人の最低限の利益は守りながら技術の変化に対応する既存事業の変化を実現しなければ、新しいビジネスも生まれなければ、既存のビジネスも守れないというジレンマに陥ってしまいます。

許認可事業の運用には政治的な力によるソフトランディングのためのルール作りが必要なのかもしれません。

ハードウェアの発達にはそれに見合った運用面のソフト作りも必要になるのだと思います。