トランプ大統領が中国製品に高い関税をかけ中国は「ひどく打ち負かされた」と得意げになっていますが事はそう単純ではありません。
関税率が引き上げられただけではなく対象も広がっています。
部品も含め中国から輸出される製品に高い税率が適用されるのです。
もちろん中国経済にダメージはあります。
早くも在庫がだぶつき始めた業界もあるようです。
ただ世界の工場と言われた中国ですからアメリカ企業の製品の生産も行っています。
アップルのiphoneなども中国で生産されていると言って良い製品です。
現にアップルの株価は業績からは一時値を戻していましたが中国への制裁が発表されて以降下落しています。
中国へダメージを与えるつもりが米国企業にも悪影響が出てしまっていまるのです。
トランプ大統領からすれば製品や部品の調達先を切り替えて経済活動を続ければ良いということなのかもしれません。
これとは別にメジャーなサービスが次々と中国から撤退しています。
中国市場への参入が難しいためです。
この辺も変えさせたいという気持ちもあっての制裁だと思いますが約14億人の人口を持つ中国市場は魅力です。
アメリカの保護主義が行き過ぎれば西側諸国の中にも中国との関係を深めて行こうという国も出てきてしまう気もします。
現にヨーロッパではイギリス(U.K)で中国との経済的なつながりを強める傾向が見られます。
トランプ大統領は長期化すれば自分がが再選された場合に中国は更に不利になるとツイートしたようです。
トランプ外交の結末は見えませんがこれだけ内と外に敵を作っていながら経済政策の結果はまずまずです。
アメリカの失業率は低い水準にあります。
ただ、これが仕事が見つかりやすい状態であるのか仕事が変われない状態であるのかによって保護主義の行先は大きく異なることになります。
不況の前には失業率が低い水準になることもあるのです。
トランプ大統領は前者と見て長期戦も覚悟のようです。