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パブリックコメントがパブリックコメディになりかねない件

以前このブログで「ゲーム規制条例制定の動き」という記事を書きました。

このゲーム規制条例制定についてパブリックコメントが実施されました。

パブリックコメントとは行政が施策の実施や企画などを実行する際、その内容を予め公開し意見を募集する制度のことです。

香川県議会がゲーム規制条例で実施したパブリックコメントでは2686件の意見が寄せられました。

賛成の意見も多かったようなのですが、不自然な点があり議論を呼んでいます。

読売新聞の取材によれば賛成意見のうち約1000件が特定の1日に集中していて、数分おきに送信されている時間帯があったようなのです。

特定の誤字を含む意見があり、それぞれ10件以上同じ誤字が見られるというのです。

ネット上での入力ですので同じ人間が誤変換をしている可能性が高いのです。

同音異字の誤変換なら異なる人間である可能性も否定しにくいのですが、タイプミスと思われる間違いなので同じ人間である可能性が高いのです。

もしこれがヤラセ的なパブリクコメントであるとしたらパブリックコメントとして役に立たないばかりか弊害すらあります。

施策の実施を歪めるだけでなくパブリックコメントのあり方にも悪影響を与えるからです。

今回香川県議会は意見を公表する際、寄せられた意見を賛成と反対に分け採決していました。

パブリックコメントは住民投票ではないため、どちらの意見が勝ったかのような公表の仕方は短絡的過ぎます。

パブリックコメントを多数決の制度と捉え本来の態様な意見を聞くための制度や機会と捉えていないことにパブリックコメントを普及する民間団体からも県議会に意見書が提出されています。

パブリックコメントという制度を多数決に基づく制度と捉えるかどうかは非常に重要なことです。

パブリックコメントの意義として少数派の意見でも採用される可能性があることや、パブリックコメントという制度を通じ施策を周知させ議論を活発にすること、その議論を通じて内容を深め結果についての納得感が形成されるという機能も重要なことなのです。

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