夫婦別姓について学者や弁護士が選択的夫婦別姓制度を求める共同声明を発表しました。

もちろん姓(名字)の問題は個人のアイデンティティーにも関わる問題なので、以前から法的な議論はなされてきました。

このところの少子化の流れもあり、純粋に女性の側も自分の生家の家族(家)の名前を残したいという希望も増えているようです。

法的には既に最高裁判所での判例も出されています。

判例の言わんとするところは、婚姻する者同士のどちらか一方の姓を名乗る法律の規定があるとしても、どちらの姓を名乗るかは当事者の自由な選択に任せているので不平等な取り扱いを定めたものではない。

男性の姓を名乗ることが多いとしても、それは法律の規定から直接生じるものではない。

だからどちらか一方の性を名乗ることとする民法の規定は違憲ではないというものです。

夫婦別姓を希望する人にとっては

主に女性の側から

・これまでの自分の名前を変えたくない

・自分の生家の家族(家)の名前を残したい

などです。

反対に片方の姓に統一することに対しては

・家族の一体感の生まれる

・子供と親との姓が一緒になる

などという意見が主張されることが多いようです。

同一の姓を望む方は、日本の「家」制度に基づく意見が多いようです。

どちらの価値観を重視するにしても、子供の姓の問題をどうするかということは考えなくてはいけません。

個人の呼称をどうするかという機能面の問題だけでなく、文化的、社会的な側面からの検討も必要になります。

夫婦別性を要求する人たちは、もうそろそろ社会が変わって良い頃と考えているようです。

それに対し裁判所は今のところ、夫婦別姓を望む人が多数を占めるほど変化への要求が高まっていないと考えているようです。

今議論が活発になっている背景には、同じように議論のあった非嫡出子の相続分についての判例変更や再婚禁止期間について新しい判例が出て法改正がなされたことも関係していると思います。