IOC(日本オリンピック委員会)の臨時評議委員会での森会長の失言が問題になっています。
文科省から女性の理事を4割入れろという要請があったという文脈の中で「女性がたくさん入っている会議は時間がかかる」という発言をしたことが問題になっているのです。
人によっては共感できるという人もいるかも知れませんが、今の世の中の流れでは根拠のないことと受け取られてしまいます。
まして元総理大臣経験者で国際的なイベントの開催国の委員の代表者となれば尚更です。
国内のマスコミは待ってましたとばかりに叩きますし、海外からも批判的な意見が寄せられています。
それでも政治家としての権力の強さや現在のポジションから、日本国内には引導を渡せる人がほとんどいないわけです。
このような時に必要なことは感情に流されるのではなく、きちんと状況を把握することです。
勿論言っていることは批判されてもおかしくないことですが、本当に発言自体に対する批判なのかということは考える必要があると思います。
権力者であるからこそ逆に他の権力者から攻撃の対象になるということもありうるからです。
まずは現状の把握ということで言うと、杉村太蔵氏がこの件について発言されたことが現状に近いのかなと思います。
杉村氏はアプリがOS(オペレーションシステム)に文句は言えないだろうという発言をしています。
つまり現在のオリンピック関連の団体や政治の要職にある人は、会長であり元総理大臣である森氏の息のかかった人が多いわけです。
森氏があって今のポジションに就いた人が森氏を批判できないのです。
それを例えて基本ソフトであるOS上で動くアプリがそのOSに逆らった挙動をとれないだろうという事を言っているわけです。
そのうえで森氏を快く思わないマスコミ発の攻撃であるのか、その背後に森降ろしを考える別の権力者がいないのかということも考える必要があります。
仮にそのような人がもしいたとしても簡単に攻撃させるきっかけを作ってしまう事自体がすでに潮時と言えるのかもしれません。
ただ今回はこのような陰謀論よりも純粋に発言が国際的な批判にされされるような問題であり、国内的にも容認できないことで問題になっているのではないかと思います。
古い日本男性の偏見という意見もありますが、それが男性に対する逆差別だという発言はあまり出てきません。
この違いは女性の社会進出の流れの中で、これまで日本で蔑視されてきた女性を擁護する意見の方が説得力を持ってしまうことと、森氏の権力の強さへの嫌悪感かもしれません。
いずれにしてもOSのアップデートはなされていないようです。