新型コロナウィルスの感染拡大を防止するため、緊急事態宣言が出されてきましたが、営業自粛の要請であって法的な強制力がなかったため、根拠法令を改正し、まん延防止等重点措置に基づく自粛要請に違反した場合には命令を出して罰則の適用ができるように法改正がなされました。
今回東京都にも3度目の緊急事態宣言が出されました。
東京都ではまん延防止等重点措置の適用もなされているため、強制力を伴う営業自粛を求めることができる状態になっています。
このまん延防止等重点措置でとりうる手段が強化されていることがわかりました。
厚生労働省は告示を改正し、まん延防止等重点措置により酒類提供やカラオケ機器の使用を禁止する命令が出せるようにしていたことがわかったのです。
法改正で命令が出せるようにしておいて具体的な内容は告示の改正で追加していくという、良く言えば柔軟に対応できる、悪く言えば後出しで強制力を伴う手段を作り出せる手法です。
営業自粛要請をしても罰金を払ってでも営業を続けるという事業主も出てきている中、対抗手段の必要性は否定しませんが、そのための手続きが簡略化されすぎてはいないかという懸念があります。
命令の実効性を上げるためにも、法律に規定するという形で国民にも周知させる必要があるのではないかと思います。
医療関係者以外へのワクチン接種までもう少しという時期なので強制的にでも感染を拡大防止する手段が必要なのはわかります。
医療現場もパンク寸前かあるいはパンクしかけている状態であることもわかりますが、なし崩し的に強制手段を追加できる実例を作ってしまうことも別の意味で問題があります。
感染拡大防止という大義のためにも法律に根拠を求めるべきなのだと思います。