中国の会社テンセントの子会社が楽天(現楽天グループ)の株式を3.65%取得したとして外資規制に違反していないか調査が入るという報道がなされました。

外国為替及び外国貿易法(外為法)では本来外資が1%以上の株式を取得するには事前の届出が必要になるのです。

ところが外資系の証券会社が株式取得時に届出が煩雑になってしまうことから、この届出には秘密技術情報を取得しないことなどの要件を定めて例外を認めています。

今回はその例外として届出がなされていないのですが、日本の経済や安全に影響を与える場合に該当しないか等を含め日本政府は調査が必要だとしています。

三木谷会長は何をそんなに大騒ぎしているのかわからないという趣旨のコメントをしていますが、政府関係者の中にはだいぶ神経質になっている人もいるようです。

これは東芝を外資系ファンドが買収しようとしていたというように外資系企業に対する警戒感もあるのかもしれませんが、親会社のテンセントが中国企業であることや中国最大級のSNSであるWeChatの運営会社であることも関係していると思います。

楽天の保有する日本経済に関する情報や個人情報が漏洩すると言うよりも、出資者として利用できてしまう可能性が出てくるからです。

それに加えテンセントが保有する情報は国家情報法(中国の法律)により中国政府が取得する可能性が出てきます。

本来出資者に顧客情報を利用する権限はないはずですが、日本政府側はどのような条件により出資しているのか気になるのだと思います。

今回の調査は不正が行われていないかのチェックというよりも楽天が利用されないかどうかのチェックのようにも思えます。

今回は公開市場での単なる株式の売買というよりも、楽天側と出資の交渉はあったと思いますので、その辺の経緯が調査されていくことになるのだと思います。