福島県の化学工場で粉塵爆発が起きましまた。

事故をきっかけに学べることを考えてみました。

大きな爆発となったのは粉塵だけが原因ではありませんので、その辺についてもまとめてみました。

まず粉塵爆発ですが、今回事故が起きた工場は亜鉛粉末を取り扱っていましたが、粉塵爆発は亜鉛でなくても起きます。

木の削りカスでも起きますし、小麦粉のような粉末でも起きる可能性があります。

火事の時に家が1軒が燃えて周辺の家に燃え移るのはイメージしやすいと思います。

粉塵爆発ではその家1軒が粉1粒になって他の家(他の粉粒)に一気に燃え広がると考えればイメージしやすいのではないでしょうか。

粉自体が燃えるだけでなく、舞い上がった粉は空気と混ざります。

これはエンジンで燃焼力を上げるためガソリンが空気と混ぜられ混合気体が作られた状態に似ています。

燃えやすい、爆発しやすい条件が整ってしまうのです。

今回は亜鉛の化学工場でサビを防ぐための塗料に使う亜鉛を作っていました。

これがさらに状況を悪くします。

どう悪くなるかを理解するために亜鉛について学んでみましょう。

亜鉛の化学的性質は他の金属よりイオン化傾向が強いことが特徴です。

イオン化傾向が強いということは酸素と結びつきやすいということができます。

酸素と結びつきやすいということは鉄などの金属が酸化する前に亜鉛と反応し、そばにある金属を錆びさせる酸素を減らすことができるということです。

そのため今回事故が起きた工場でサビを防ぐための材料として亜鉛の粉末が製造されていたのです。

このような亜鉛の性質を利用した防蝕亜鉛は広く利用されています。

今回はこの性質がサビを防ぐことではなく、燃えやすい方向、爆発の方に働いてしまったわけです。

粉塵爆発と亜鉛の化学的性質の両方が働いた時の威力はニュース映像を見てのとおりです。

そしてこの酸化は水(H2O)と反応しても起こります。

水と反応すれば水素が残ります。

水素自体の危険性は福島第一原発の水素爆発を思い起こせば危険性がわかると思います。

今回の事故では消火しようにも水がかけられないため消火活動は困難を極めました。