今日から全国の市区町村でコロナのワクチン接種証明書の交付申請の受付が始まります。

市区町村の役所にコロナワクチンの接種済み証を提出することで接種証明書の交付が受けられます。

ワクチンの接種証明書があると今のところイタリア、オーストリア、トルコ、ブルガリア、ポーランドの5カ国で待機やウィルス検査での緩和措置や免除を受けられるようになります。

これとは反対に日本への入国時はワクチン接種の証明書があっても待機期間や検査についての緩和措置は受けられません。

これは国によってワクチン接種についての考え方が異なるからだと思います。

5カ国ではワクチンを接種していれば入国させても感染拡大に影響が少ないと考えているか、移動を制限する必要はないと考えていることになります。

これに対し日本ではワクチン接種していてもウィルスに感染しなくなるわけではないため、移動の自由への制約となっても防疫措置は必要と考えていることになります。

出入国の自由を制限することになるのではないかと考える方もいらっしゃるかもしれません。

これについては、その国の国籍を持つ人については出入国の自由の問題ともなりえます。

しかし日本国籍を持っている場合は日本へ帰ってこられなくなることが殆どないため気にする必要はないと思います。

外国籍の人の場合は一般に外国人がある国へ入国する自由は当然には認められないため、その国の政策によることになります。

日本では居住移転の自由(憲法第22条第1項)は国内での問題と解されるところ、憲法第22条第2項で永住のための出国が認められていることから、海外渡航の自由も「外国に移住」の中に含まれると考えるのが普通です。

ただし戻ってこられるかどうかについては議論があります。

旅行しても帰って来られないなら、それは自由だとは認めにくいため、帰って来られるのだという考え方もありますが、帰ってくることは入国ないし再入国の自由の問題にもなるので外国人には認められないとする考え方が一般的です。

いずれにしても日本の場合は外国人が一旦出国すると入国する権利まで当然に認められるわけではないと考えた方が良いでしょう。

再入国については在留期間が残っているような場合には、法務大臣に裁量権があると言っても入国についての判断で全くの恣意的な判断が許されるわけではないのですが、拒否や不許可となった場合には何らかの理由に基づいてそのような判断がなされることが多いため、一旦出た判断を覆すことは難しくなるというのが現状です。