中国で一人っ子政策が実施されていたことを覚えている日本人は多いと思います。
子供が多かった頃は、それぞれの子供がどのような進路に進むか国はあまり興味がなかったのかもしれません。
人口が多い国で自然と優秀な人材が排出されてきたということかもしれません。
しかし、少子化となりその中からエリートを育てなければならないとなると競争は激化します。
中国の大学受験の厳しさは日本の比ではありません。
全国統一大学入試いわゆる高考で入れる大学が決まってしまいます。
名前はセンター試験を前身とする大学入試共通テストに似ていますが、大学ごとの試験などは行われないのです。
国家重点大学に合格させるために進学校なども、全寮制で受験対策に取り組むところもあります。
そのような大学を出ても思うような就職ができなかったり、中国の経済力が高まるにつれて物価も上がってきたため、贅沢品の消費を控えるような生活をする若者も増えてきました。
いわゆる「寝そべり族」の登場です。
住宅ローンを組んだり、車を買ったりすると、望まない仕事で長時間働かなくてはならないので、贅沢品の購入を避け最低限の収入で暮らそうという人達です。
このような人達の登場を危惧してか、政府も受験産業を規制しようと、塾業界への規制を強めています。
子供についても3人まで認めるという方針に変わっています。
しかし、子供の数や物価の高低だけでなく、この間の価値観の変化が一番の原因のように思います。
これだけ価値観が変化してしまった状態で、政府のとる政策によりどれだけ、若者の生活が変化するのかに注目したいと思います。