少し前は軍事衛星から地上で新聞を読んでいる人の紙面の見出しが読めるということが話題になっていました。
現在はさらに技術が進んでいます。
愛知県豊田市で地中にある水道管の漏水を人工衛星で見つけるという実証実験が行われます。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)の地球観測衛星だいち2号を使って、地上に電磁波を照射します。
照射された電磁は地中の1メートルから2メートルの所で反射します。
この反射のされ方が水道水と水道水でない雨水などでは異なるそうです。
塩素を含むか含まないかの違いです。
この反射特性の違いをAIを使って画像解析し、漏水箇所を見つけ出すという技術が開発されているのです。
豊田市は既に一部地域で調査を実施し、259箇所の漏水箇所を見つけているそうです。
2020年に行われた調査では、人工衛星だけでなく、怪しい箇所について異音調査などを行って見つけたようですが、全て人間が行うのとは労力や効率が違います。
この技術だと全て歩いて調べる場合に比べて、歩く距離は10分の1、調査期間は5年かかるところが7ヶ月に短縮されるそうです。
人工衛星を利用する場合のコストがよくわかりませんが、他の事にも使えそうですから共同で打ち上げてコストを抑えることもできそうです。
水道料金の値下げやこれまでかかっていた労力を他の事に振り向けるということも夢ではありません。
自分が生きている間に地中の漏水を人工衛星から見つけられる時代が来るとは思っていませんでした。
これからもっと驚く技術も出てくるのだと思います。
通信技術も飛躍的に進歩しているので、現在はこのような技術革新の転換点にあると言っても過言ではないようです。