明日から5月です。

5月(May)に行われるからメーデーです。

平時であれば、10万人以上が参加する労働者のイベントになっています。

もともとは1886年の5月1日にU.S.A(アメリカ)のシカゴで1日に12時間から14時間働いていた労働者がゼネラル・ストライキ(全国的な労働争議)を行い8時間労働を要求したことに始まります。

今8時間労働が定着しているのも、このおかげと言っても過言ではありません。

このような労働者の団結は、かつてよりも弱くなっていると言われています。

ただ時代時代で新たな問題は出てくるわけですから争議の仕方が変化しているだけかもしれません。

このメーデーは無線では緊急事態に使われています。

フランス語の「助けに来て」の意味のヴネ・メデ(venez m’aider)に由来すると言われていますが、発音が似ているため正式にも「May day」で定着しています。

緊急時には無線でこの「メーデー」を発信します。

「助けて」などの言葉を直接使わないのは雑音によって似たような言葉と間違われないようにするためと、国や言語を問わず伝わるようにするためです。

無線では「メーデー」が受信された場合、その周波数は使用しないというルールになっています。

しかし今回の知床の観光船KAZUⅠの沈没では、無線設備ではなく、船長の携帯電話だけだったためか、緊急事態に「メーデー」は発信されませんでした。

その携帯電話も海上では繋がりにくい状態のものが使用されていたようです。

船長も労働者であり、乗っていたお客さん達も普段働いて、休みに観光を楽しむ予定だったのだと思います。

そのような人達の命の安全を最低限守る設備が整えられていない状態で出航していたことは、会社側の落ち度としか言いようがありません。

残りの方の早期発見をお祈りしたいと思います。