切れた血管がどのようにつながるかがわかってきました。
日本医科大学と宮崎大学の研究グループによる発見です。
これまでは切れた血管同士の両方から血管が伸びてつながると考えられていました。
実際には、心臓に近い方からは伸びず、心臓から遠い方から血管が伸びてつながることがわかりました。
実験ではゼブラシッシュと言われる魚の血管を切断して観察が行われました。
蛍光イメージングという方法で、色素を使い血管が修復されていく過程を観察したものです。
専門外の人間の推測なので当てにならないかもしれませんが、もしかすると血液が流れていく方は、どこへ行くかはわからないけれども、流れて来ていた方は、どこから血液が来るのか感じ取るメカニズムが細胞レベルであって、伸びて行くのかもしれません。
研究成果はがんの治療にも役立つ可能性があります。
がん細胞が増殖する場合、自らの増殖プログラムを呼び起こします。
特に毛細血管や周りの細胞の血管を増やす血管内皮細胞の増殖因子にスイッチが入ります。
これにより正常な細胞にも血管を張り巡らし、栄養や酸素を自らに取り込むのです。
更に、細胞の一部が血管内に入り、他の場所へと移動して転移したりするのです。
現在、治療法として血管の増殖因子に働きかける情報伝達物質に直接働きかけ、血管の増殖を止め、がん細胞を兵糧攻めにするという治療法も研究されているぐらいです。
そのため血管が伸びて行くメカニズムがわかれば、がん治療などにも役立つはずなのです。