染色体が心臓の働きに影響しているということがわかりました。
アメリカ(U.S.A)のネイチャーという科学雑誌に掲載された論文によれば、男性がもつY染色体が減ってくると、心臓の働きが弱くなるという関係があるようです。
Y染色体は男性だけが持っているので、女性よりも男性の寿命が短い理由の1つとして考えられます。
さらにY染色体は年齢とともに数が細胞の中から減っていきます。
高齢男性が中性化していく原因にもなりますし、心臓の働きが弱くなる原因にもなっているようなのです。
最新の科学研究で、自分にはあまり関係ないと感じる方もいるかも知れませんが、この現象は新型コロナウィルスに感染して症状が重症化するかどうかにも関係しているようなのです。
案外身近な研究成果といえます。
別の研究では、象の生殖にかかわる遺伝子が癌の発生にかかわっているということがわかっています。
象は体が大きいのに、癌になることが少ないのです。
そ理由を調べる研究で、象の生殖にかかわる遺伝子が、がん細胞の発生を防いでいることがわかったのです。
癌と心臓病という死亡原因の2大疾患が、性に関係しているというのは偶然ではないのかもしれません。
子孫を残すための生殖機能と、生物が死んでいく原因とが、関連している可能性があるのです。
生命が危機にさらされると、子孫を増やすことが知られていますが、子を生むというのは、自らの病気の治療を諦め、次の健康な個体を生み出すという生物の生存戦略の1つと再定義できるのかもしれません。