入管の収容施設で昨年、スリランカ人のウィシュマ・サンダマリさんが亡くなりました。

この原因を巡って、遺族が国家賠償を求め、名古屋地方裁判所に訴えを提起しています。

第2回の口頭弁論期日が開かれました。

そこで国側は入管の医療対応に問題はなかったと主張しました。

死亡に至るまでの具体的事実がわかってきていて、2021年の2月15日に行われたウィシュマさんの尿検査の結果、ケトン体が「3+」であったことがわかりました。

これがどのような意味を持つかにについて解説します。

人は食べ物を食べなくても、すぐにエネルギーが無くならないように脂肪を体に蓄えます。

しかし、一定期間食べ物を食べないとエネルギー不足になるため脂肪を分解してエネルギーとして使います。

この時使われるのがケトン体です。

つまりウィシュマさんの場合、食事をせずにいた時間が長いため、脂肪が分解されていたことが伺えるのです。

このような検査結果が出ているにも関わらず、詐病を疑い、受診させたのは精神科です。

関わった職員にウィシュマさんを死亡させようという意図は無かったのかもしれません。

しかし、このような医学的にも詐病ではないことが伺える証拠があるにも関わらず、点滴すらしなかったことに過失がないとは思えません。

この事実だけでなく、他にも死亡に至る判断ミスがいくつかあるのだと思います。

それぞれの過失を無理やり死亡という結果に結び付けなくても、過失を共同することは可能であると法的にも考えられています。

それぞれ行為が直接死に至らしめる程重大でなければ、結果として誰も責任を負わないというのは明らかにおかしな結論です。

国側はこのような事実を踏まえたうえで、違法性がなかったと主張しています。