安倍元首相が銃撃され、事件の背景には現:世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と政治家の関係があったことが明らかになりました。
これをきっかけにカルト教団と言われる旧統一教会に対する規制法を作るべきではないかという議論がなされています。
情報番組のミヤネ屋において橋下徹弁護士と紀藤正樹弁護士の意見に食い違いがあり、これに関するネットの記事が出ています。
この記事を読むと、紀藤弁護士が橋下弁護士を「論破」だとか、「同じ弁護士なのに」と言った表現が出てくるのですが、実際に番組の内容を観ての感想はそのようなものではありません。
私は2人とも知り合いではありませんので、決して橋下氏を擁護しようとか、紀藤氏を下げようとかいう意図はありません。
番組の内容を見て思ったことを率直に書きます。
まず、2人の主張は作るべき規範の内容については、ほぼ一致しています。
橋下氏は紀藤氏が言うカルト法を宗教団体規制の法律と理解している点が異なります。
この辺は、旧統一教会の問題について長く取り組んできて諸外国の法律にも触れていた紀藤氏に分があったと思います。
一方橋下氏は日本の弁護士ですので、基本的には日本の法律を知っていればよいわけです。
ガイドラインの作成に取り組んでいると言っていたので、諸外国の法令を調べていても良いかなと思った程度で、このぐらいの誤解はあっても不思議ではありません。
次に紀藤氏はカルト法の立法を主張していて、橋下氏は法律で規制することは難しいため、各政党レベルでガイドラインを作るべきという主張をしています。
橋下氏は法律規制になじまず、歴史的経緯や現行の規制のあり方を考えると立法は難しいと主張しています。
この日本の現状認識はおかしなものではありません。
一方紀藤氏は、日本の現状では難しいからできないというのではなく、諸外国のように立法すべきということを主張しています。
これはこれで立法論としてありえる主張です。
このように主張として共通する部分もありますし、異なる部分についても意見として両者あり得る主張をしているだけというのが私の印象です。
これを先に触れたネット記事のように書くのは、単に橋下氏をよく思わない人間が、印象操作をしているという感じがします。
このような極端な印象操作が行われると、かえって橋下氏が言うように団体規制を法律で規制するのは危険という主張を補強してしまうことにもなります。