楽天モバイルへ水増し請求を行っていたとして、楽天モバイルから預金の仮差押を受けた日本ロジステックが民事再生法の適用を申請しました。
楽天モバイルは担当していた従業員が、携帯電話基地局設備の保管や輸送に関して、日本ロジステック側と申し合わせ、業務費用を水増しする方法で不正に請求をしていました。
一方的に日本ロジステック側が水増し請求していたわけではないものの、罪が軽くなるわけではありません。
楽天モバイル側の従業員は、水増し請求させたお金の一部を受け取っていたことから解雇されています。
水増し請求されていた楽天モバイル側は、当然その分を取り返そうとします。
その手段として、日本ロジステックの預金口座を仮差押えしていました。
差押えや仮差押えというと資産を持って行かれるだけのような感じもしますが、今回は銀行口座に対するものなので、取引に使っている口座だと支払いもできなくなります。
出金させてしまうと保全処分の意味がないからです。
そのため資金繰りが悪化し、今回民事再生法の適用の申請となりました。
仮に、楽天モバイル側への返済額を超える預金があったとしても、お金を動かせなくなれば、支払不能となってしまいます。
実際には財務内容を見てみないとわかりませんが、負債額は151億円と言われていて、楽天モバイルの損害が46億円と言われていますので105億円のうち、近々に支払わなければならない分がどれだけあったのかということになります。
仮にあまり大きな額でなかったとしても、それを調達できなければ事実上の倒産状態となります。
今回は破産という精算手続きではなく、民事再生という再建型の手続きを選択していますが、実際に再生が約束されているわけではありません。