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タテ割行政の打破×ヨコ展開=免責(免責の公式)

マイナンバーカードの取得を促進するための様々な施策がなされています。

マイナンバーカードを取得すると、マイナポータルというサイトで、様々な手続きやサービスの利用ができるようになります。

このマイナポータルというサイトの利用規約に疑問が出ています。

マイナポータルを利用する際は利用規約に同意する必要がありますが、利用規約の中に、マイナポータルの所轄官庁である「デジタル庁にいかなる責任も負担させないものとします。」という規定があるのです。

マイナンバーカードの所持者は事実上、他のサイトを利用して行政サービスを受けることはできません。

マイナンバーカードの取得を促進するため、事実上義務化に近い方向へ持っていこうとしているのに、サイト利用者に対して「いかなる責任も負わない」という姿勢はどうなのかという疑問は誰しもが抱くと思います。

このような免責条項は、企業の法務担当者であれば、入れたくなる規定です。

これが民間企業とお客さんとの間で利用する規約であれば、このような規定を設けても、消費者保護法や特定商取引法、取引デジタルプラットフォーム消費者保護法などで消費者に不利だとして、規定の法的効力が否定されることもあり得ます。

ところが行政のサービスとして、行政行為の一環と捉えられれば、一方的に法効果を生じさせることができることになるので、有効なようにも思えます。

ただし、その場合は国家賠償法の適用も問題になってきますので、このような規定の意味が改めて問題になります。

行政が何か行えば、全て行政行為になるわけではないので、私法上の行為と捉える余地もありますが、新しいサービスの提供だけに、法的な解釈は微妙になります。

今後、サービスを通じて損害が生じた場合などに、法的に争われることによって、この規定の法的な性質が明らかになっていくと思います。

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