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解釈緩めて経済沈む

法律と経済は元々密接に結びついています。

経済活動を行うえで、法律を無視しては経済活動が成り立たないからです。

規制法が作られるか、作られたとしてどのように解釈するかによって経済活動も変わってきます。

このような通常の関係とは別に、政府見解が変遷することにより、法律も経済政策も変わってくる場合があります。

今が、そのような時ではないでしょうか。

経済について見てみると、政府はインフレ率2%前後を目指してアベノミクスを実施してきました。

目標は上手く達成できず、ウクライナとロシアの戦争や原油価格の高騰に加え、新型コロナウィルスの流行による経済の低迷などにより、物価が上昇しています。

一見、経済政策が直接の原因ではないようにも見えますが、関連性があるのではないかと思っています。

一方、法律の方に目を向けると、旧統一協会を巡る宗教法人法に基づく解散命令請求や質問権の行使について、従来刑事事件化し、刑事罰が科されていることを前提としていた解釈を変え、民事上の不法行為責任でも、解散請求や質問権が行使できると解釈を変えました。

自衛隊の問題でも、集団的自衛権についての見解や、専守防衛の政府見解が変わってきています。

憲法では、憲法に直接規定されていない人権が問題になると、新しい人権を認める根拠として憲法第13条の幸福追求権を根拠とする見解が通説的な考え方になっています。

この見解については、安易に人権を認めると人権のインフレ化が起こるという表現の批判があります。

同じように、宗教法人法の規定や専守防衛の意味を広げることで、法文の価値のインフレ化が起こり、規定の価値を押し下げることになる可能性が出てきます。

経済とは関係のない法解釈の変更のように思えますが、その発想をする人間が経済の舵取りも行っているのです。

司法である裁判所の見解ではなく、行政である政府見解によって法律の価値のインフレ化が起こりそうな現在、同じ政府の発想に基づく経済政策により、本当の経済の方のインフレも進む可能性が出てきています。

これは本来の法律と経済の関係でもなく、アベノミクスが目指したインフレ化とも異なるものです。

インフレ要因のサブプライム化とでもいうような現象が起きつつあります。

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