熊本地方裁判所の刑事裁判で、特定の裁判官が即日判決を出すことで話題になっています。

弁護人側が早めに判決を求めることはありうるのですが、この裁判官の場合、このような即決裁判が求められているわけではないのに、即日判決がなされることがあるのです。

報道では拙速ではないかという批判が出ています。

審理がきちんとなされているのであれば、時間は問題ではないような気もします。

時間をかけて検討したところで、真実はよくわからないままということもあるからです。

ただ、この裁判官の場合、証拠もあまり見ないまま、実刑の判決がなされる事もあったようなので、そこまで行くと報道されても仕方ない気がします。

個々の裁判官の仕事の仕方もあるので、早いことは必ずしも悪いことはないのですが、それはあくまで手続上保障されている審理が行われているという前提での話です。

民事訴訟では、当事者の一方が真実と異なっていても、それで良いというのであれば、そのとおりの判決内容になっても問題はありません。

しかし、刑事事件の場合は、被告人が本当はやっていないけれども、認めると言った場合、有罪としてはまずいのです。

検察官にとっても、裁判官にとっても、真実の追求という使命はあるため、被告人が「やった」といっても、嘘であると思うなら真実を究明する努力は必要になるのです。

もちろん証拠を見ていない段階で即日判決を検討し、証拠を見て怪しいと思うなら判決は出さないというスタンスなのかもしれません。

いずれにしても、判断のプロセスに興味はわきます。