今年1月高浜原発4号機で、核分裂反応を抑える制御棒が落下し原子炉が自動停止しました。
核分裂は連鎖的に起こるので、制御棒は、核分裂を調整したり、止めたりするためにあるものです。
制御棒を出し入れすることにより、核分裂の状態を調節します。
制御棒は上下2つの電動で動くラッチと呼ばれる爪で保持されています。
点検のために上のラッチの電流を切った直後に制御棒が落下しました。
通常であれば下のラッチだけでも落下することはありません。
下のラッチにも十分な電流が流れずに落下したのです。
関西電力は運転開始当初からこの状態だったとして、老朽化ではなく、施工不良だったと原子力規制委員会に報告しています。
原因はたゆんだケーブルが覆いかぶさったことにより、制御棒を動かす装置とケーブルの接合部が引っ張られたことで、十分な電流が流れなくなったというものです。
関西電力からすれば、そもそもたゆむ程の長さがあったことが原因だということなのだと思いますが、その長さでもこれまでは正常に運転できていたわけです。
そのため、これまで動いていたものが老朽化により不具合が生じた可能性も否定しきれません。
報告どおり、施工不良の可能性もあります。
いずれにしても、この状態の原発を、最長で60年まで運転できるように法改正してしまっています。
不安を感じない人がいるでしょうか。
今回制御棒が落下したことを、運転を止めろという意味に捉えなかったことを後で後悔する事態が起きないことを祈りたいと思います。