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原子誕生の立役者

前回、強い力について書きました。

今日は、弱い力について書きます。

強いとか、弱いとか、私が素人だから書いているわけではなく、物理学の世界でも普通に使われている用語です。

前回書いたように、通常原子核に複数の陽子が含まれるのに、分裂してしまわないのは強い核力が働いているからということになります。

この核力に比べれば、弱いといえるのが今日書く弱い力です。

クオークには強い力が働いているのに、実際は陽子の中などでは自由に動き回っているように見えるそうです。

なぜかといえば、原子核内部の素粒子は、近くでは強くなく、遠く引き離そうとするほど、強い力が働くからなのだそうです。

原子核内部では距離が近いため、本来の強い力ではないということです。

最近観た、アニメ呪術廻戦の第35話「降霊」で虎杖悠仁と伏黒恵が戦った敵の術式みたいです。(観てない人ごめんなさい)

他にも、呪術廻戦では、五条悟が使う術式反転「赫」と術式順転「蒼」を組み合わせた虚式「茈」などが出てきますので、これも色の数こそ少ないものの、量子色力学のカラーチャージっぽい感じもします。

領域展開も「場の理論」っぽい感じがしますので、作者は物理好きなのかもしれません。

話を元に戻します。

その強い力に対して、弱い力があります。

弱い力は、原子核の中性子が陽子に変わったり、陽子が中性子に変わったりする時に働きます。

核融合や核分裂の際に働くのです。

つまり、β崩壊によって原子核が、別の原子の原子核に変化するときに必要な力なのです。

強い力では、原子核が次の原子番号の原子の原子核に変化できません。

ここで、前々回書いた化学の周期表の話に戻ります。

宇宙の始まりは、ビックバンだといわれています。

宇宙は当初、水素といった、原子番号の小さい物質ばかりだったと考えられますが、これが弱い力によって、中性子が陽子に変わり、電子やニュートリノを放出し、次の原子に変化します。

こういうと簡単に変わるように聞こえるかもしれませんが、弱い力なので偶然に近いぐらい滅多に起こる変化ではありませんし、起こる時にも太陽のような膨大なエネルギーがあるから別の原子の原子核に変化できるのです。

太陽自体もほとんど水素が燃えているものです。

小柴昌俊先生がノーベル物理学賞を受賞した時に使用したスーパーカミオカンデは、ビッグバンに近い時期のβ崩壊などによって放出されたニュートリノを観測するので、宇宙の始まりの解明に役立つかもしれないなどといわれるのです。

また、宇宙の始まりにあった水素(原子番号1番)は、まず重水素に変化し、周期表どおり、次にヘリウム(原子番号2番)に変化していきました。

周期表にある物質(原子)の数だけ、弱い力と太陽のエネルギーによって、順次、原子が生み出されていったことになります。

当初はガスだらけでしたが、新しい物質に変化し、宇宙が冷えるに従って、今のような見える宇宙に変わっていったと考えられています。

これを「宇宙の晴れ上がり」と言います。

宇宙全体からすれば、我々の身の周りにあるような物質は、全てがレアメタルのようなものなのです。

宇宙全体の中では、数十パーセント以上が暗黒物質といわれるダークマターによって占められていると考えられています。

今、私たちが存在するのも、私たちの周りに物質があるのも弱い力のおかげと言っても過言ではありません。

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