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出でよ神龍

漫画家の鳥山明さんが3月1日に亡くなっていたことがわかりました。

「ドラゴンボール」や「Dr.スランプ」などのヒット作を生み出し、世界的にも人気の作品を描いた鳥山明さんが亡くなっていました。

初期の作品であるDr.スランプは、当初タイトルどおり則巻千兵衛が主人公でしたが、担当編集者鳥嶋和彦氏の提言により、則巻アラレ(アラレちゃん)が主人公となり、ヒーローものでも、成長物語でもない独特の世界観で人気を博しました。

ドラゴンボールは週刊少年ジャンプの王道を行くような作品です。

画力は現役漫画家の中でも第一級の実力だと思います。

マンガでは、描かない省略やデフォルメの力が必要になりますが、その分、非現実的な感じになってしまいます。

鳥山明さんの絵には、程よい省略やデフォルメの中に、リアリティを感じさせる画力がありました。

現在では、スーパーの商品広告は写真のものが多いですが、以前は絵で描かれた商品チラシというものがありました。

ご本人の述懐によれば、漫画家としてヒット作を生み出す前に、スーパーの商品チラシの広告を描いて収入を得ていた時期があったそうです。

この頃に物の形を掴む力が養われたと語っていました。

漫画を描き始めて、早くから人気漫画家となりましたが、アシスタントを使うという発想がなかったようで、家族に手伝ってもらっていた時期もあったようです。

豊かな才能は、世の争いごととは無縁だったようで、人気漫画家となってからもスターウォーズのキャラクターをデフォルメして描いてしまい、問題になるというおちゃめなエピソードも残っています。

ゲーム「ドラゴンクエスト」シリーズのキャラクターデザインも行っており、我々世代には、鳥山作品に触れずに育った人がいるのだろうかというぐらい影響力があります。

そのため、手塚治虫さんと同じく後輩漫画家にも多大な影響を残しています。

神龍(シェンロン)にお願いして生き返らせてほしいところですが、その願いも叶いません。

45年に渡り、数々の作品を描き続けた鳥山明さんに感謝するとともに、ご冥福をお祈りいたします。

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