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親猫の気持ちで

今のヤマト運輸は、実質的な創業者と言っても良い小倉昌男氏が父親から受け継いだ会社が母体になっています。

宅急便のシステムが考案される前、長距離トラックの運転手さんは、かなりの日数家を空けることになっていました。

それを、中継地点でコンテナを受け渡すことで、それぞれのトラックドライバーが、その日のうちに家に帰れるようになるという仕組みを、小倉昌男さんが移動の飛行機に乗っている時に、地上を見下ろしながら思いついたのだそうです。

その後、福祉事業も手掛けられ障害者によるパン屋スワンベーカリーも創業しました。

障害者福祉事業は、善意に偏った経営がなされがちで、経営資源が尽きたところで善意も成り立たなくなるとうことになりがちです。

小倉昌男さんは、収益循環を実現するという、経営感覚に裏付けられた障害者福祉事業を継続的に運営できた稀有な存在でもありました。

そのヤマト運輸が、パートの大量解雇や委託配達員の契約終了で揺れています。

労働者への対応が実質的な創業者と大きく異なってきているように思えます。

競争が激しくコストのしわ寄せやあおりを受けやすい業種ですので、背に腹は代えられない部分はあると思いますが、露骨な数字優先の方針しか見えてきません。

雇っている側も困るぐらい困難な状況なら、いっそ今後有望な業界への転職を考えた方がお互いにハッピーなのではという発想なのかもしれませんが、急に方向を変えられないのはトラックだけではありません。

今一度パート労働者や契約配達員の親猫として、他に対応のしようがないのか考えてほしいところです。

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