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王の帰還

太平洋戦争の時に、アメリカ(U.S.A)に持ち去られていた歴代琉球国王の肖像画、御後絵(おごえ)がアメリカで見つかり、沖縄県に返還されました。

御後絵は6点で、うち3点は1つの作品を分割したものです。

太平洋戦争末期に沖縄県からアメリカに持ち去られていましたが、アメリカ国内で行方不明になっていました。

そのため沖縄県が2001年に米連邦捜査局(FBI)の盗難美術品リストに登録していました。

今回、太平洋戦争には従軍していない亡くなった元アメリカ兵の家に保管されているのを、遺族が遺品整理の際に発見し、FBIの盗難リストに載っていることに気づいて通報してわかったものです。

存在していることがわかったとして、よく元アメリカ兵の遺族やアメリカ政府が無かったことにしなかったものだと、そこは感謝したいと思います。

御後絵は首里城の北にある円覚寺の壁面に描かれていた王の肖像画を写したものではないかとも言われていて、国内に残っていたとしても首里城に保管されていた可能性もあります。

ご存知のように、首里城は先の火災で消失していますので、アメリカ人によって持ち去られたことで、戦火を免れたことと、首里城の火災を免れ、現存することになった可能性があります。

今回返還されたものの中には第13代尚敬(しょうけい)王(在位1713~1751年)と、第18代尚育(しょういく)王(在位1835~1847年)を描いたものが含まれています。

琉球王国の尚家というと日本本島の人には、全く馴染みがないように感じるかもしれませんが、「美味しゅうございます」でおなじみの亡くなった料理記者、岸朝子さんのお姉さんが尚家の末裔に嫁いでいます。

岸朝子さんのお姉さん、尚道子さん自身も料理研究家で、お弁当などに入っている「たこさんウィンナー」を考案した人と言われています。

旦那さんは、元建設省の職員で、後に旧日本住宅公団の副総裁も務めた方で、昭和世代には懐かしいダイニングキッチンを考えた人です。

縁が無いようで案外、昭和世代には接点があるということになります。

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