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ウィルスの人への接近

東京大学、国立国際医療研究センター、ウィスコンシン大学の共同研究チームが、鳥インフルエンザウィルスH5N1が、乳牛への感染を経て、人への感染効率が高まっている可能性があることを科学誌ネイチャーで発表しました。

もともと人には感染しないと言われ、最近では稀に感染することがあるとされている鳥インフルエンザウィルスですが、これはウィルスが、人の細胞とは結びつきにくい構造になっていたからです。

ところが、研究によれば、アメリカ(U.S.A)の乳牛に感染した鳥インフルエンザウィルスであるH5N1の亜種では、人の上気道の細胞と結合しやすく変異していたのです。

H5N1自体はまだ、人に感染しやすいとまでは言えませんが、人に感染した場合の致死率は50%と言われています。

今のところあまり感染しないが、感染したら死亡率は高いという状況です。

鳥以外の他の動物に感染することにより、人にも感染しやすいウィルスへと変異している可能性があるのです。

ひょっとすると、乳牛以外に、もっと人に感染しやすくなるようにウィルスを変異させてしまう動物(宿主)がいるかもしれません。

知らないうちに、だんだん感染しやすく変異しているというのが怖いところです。

目に見えないだけに、どのぐらい感染しやすくなっているか常に注意が必要です。

病気にかかりにくくするため、このような研究が進んでいますが、逆にこのような知識を悪用すれば、生物兵器などとして利用できてしまう危険性もあるということになります。

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