海上自衛隊（海自）の不祥事が明らかになり、海自叩きが続いています。
巷では、内閣の支持率が下がると、不祥事が明らかになったり、芸能スキャンダルが流出したりすることがあると言われています。
政府に対する不満をそらすためだそうです。
真偽の程は不明ですが、そういうことが行われることもあるのかもしれません。
ただ、今回の自衛隊の不祥事については、内閣の支持率低下の批判をかわすためという理由は成り立ちにくいはずです。
自衛隊の最高指揮司令官は、内閣総理大臣だからです。
組織構成から言えば、自衛隊に不祥事があれば防衛大臣は何をやってる、内閣総理大臣は何をやってるという批判につながっても不思議ではないのです。
今回引責辞任した海上幕僚長は制服組のトップです。
しかし、その制服組も内閣総理大臣の指揮下に置かれています。
内閣総理大臣が自衛隊のトップであることがあまり知られていないので、自衛隊に不祥事があれば、自衛隊の暴走をを止めるため、防衛大臣や内閣総理大臣による監督が必要だという発想につながっていきやすいのです。
今回の自衛隊の不祥事に対して、防衛大臣も含め、政府サイドの出すコメントは自衛隊を別組織のように捉えて、それを評しているように聞こえます。
しかし、これが会社だとすると従業員の不祥事に対して役員が外部に遺憾の意を表しているだけですので、批判されても不思議ではありません。
やっていることは、これとあまり変わりませんが、あなたも当事者ですという声は、何故かあまり聞こえてきません。