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足跡をたどってみよう

愛媛県の松山市にある国指定史跡「久米官衙遺跡群」の発掘調査でタヌキと思われる動物の足跡が付いた土器が発見されていたことがわかりました。

この土器が発掘されたのは2003年です。

飛鳥時代の祭祀で供え物を入れるための器として使われていたと見られています。

2023年になって、土器の中心部に動物の足跡が付いていることがわかりました。

肉球の大きさや指の長さから狸の可能性が高いそうです。

皿状の土器の中央に2つ足跡があって、前足と後ろ足1つずつです。

爪痕も見られます。

意図的にに付けたものか、製作の過程でたまたま付いたものかはわかりません。

当然どういう意味があるのかもわかりません。

猫の足跡付き土器を展示している兵庫県立考古学博物館の館長さんは、完成品にしたものなので、たまたま付いたのではなく、まじないのような目的があったのではないかと分析しています。

タヌキはキツネと同様、人を化かすと言われている動物です。

不思議な力があると考えられていたのかもしれません。

特に出土した松山市では、現在の松山城にあたる勝山城に神通力のある雌狸が棲んでいたと伝えられているので、何か特別な意味があったのかもしれません。

松山城には、他にも日本三大狸話の1つに出てくる刑部狸(隠神刑部狸)がいたとも伝えられています。

松山市には、この他にも様々な狸伝説があります。

ただし、出土した土器の年代はそれよりもずっと前のものです。

飛鳥時代から、松山の人は狸に不思議な力を感じていたのでしょうか。

個人的には、化けるつながりで、ありふれた物を人間や祭祀に必要な物に変化させるために使ったのではないかという説を提唱したいと思います。

飼っていたペットがかわいいから足跡を付けただけという可能性もあります。

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