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薄れるはずが

終戦記念日です。

毎年この時期になると戦争時の証言が伝えられます。

その語り部も高齢となり、実体験として語れる人がいなくなってきています。

出兵した人の多くは日本軍の兵站の少なさから極限状態に追い込まれた経験を語る人もいますが、中には現地で物資調達のため略奪や殺戮行為などをした罪の意識にさいなまれている人もいます。

戦争時に罪を犯しても、戦争とはそういうものと時間が経てば忘れるのではないかと思う人もいるかもしれません。

しかし、若い時に影響がないように思えても、時間が経って高齢になってから精神疾患を発症する人がいます。

これは日本人だけでなく、外国人でも同じです。

戦勝国であるアメリカ(U.S.A)人であっても、日本で行った行為の罪の意識にさいなまれ、帰国後、薬物中毒になったり、精神疾患にかかった人も多く存在します。

ベトナム(ベトナム社会主義共和国)戦争でも同様のことが起こっています。

PTSD(心的外傷後ストレス障害)の戦争版のような症状が存在することが分かってきています。

犯罪になるかは人間の線引きの問題で、罪にならなければ何も感じないという人もいると思います。

しかし、犯罪として罰せられなくても、人間にはやってはならないことを感じ取る能力があります。

年をとっても当時の状況がフラッシュバックしてくるのです。

戦犯などとして罰せられなければ、罪を償ったという区切りがやってくることもありません。

記念日がやってきても、薄れることはないのです。

自分だけが知っている罪の意識から逃れられることがなく、精神を病んでしまうことになります。

これも、また戦争の弊害の1つといってよいでしょう。

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