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それでも書いた

原作が野坂昭如さんの小説、制作がスタジオジブリのアニメ映画「火垂るの墓」がNetflixで配信されています。

日本では直木賞を受賞した作品ですが、海外のレビューサイトでも高評価を得ています。

「二度と見たくない傑作」というのは原作者、制作陣に対する最大の賞賛と捉えて良いと思います。

先の戦争では、連合国側の人間を加害者のように捉える作品は、海外で敬遠されます。

今回、火垂るの墓が、高評価を得ているというのは、それだけ冷静に見られる程、時間が経ったということなのかもしれません。

更に現在の世界情勢は、各地で紛争が起こっています。

第二の清太や節子を出さないためにも、世界の多くの人に、この作品を観てもらいたいと思います。

日本人であれば、原作にチャレンジするのも良いかもしれません。

アニメはわかりやすく戦争の悲惨さが伝わりますが、原作の文体は、正直あまり読みやすくはありません。

一文が長いのです。

一般に、文章をわかりやすくするためには、一文は短い方が良いとされています。

そこは野坂一流の表現で、意図があってのことだと思います。

単語だけでは、伝えきれない複雑な感情や状況を、言葉を連ねることで、伝えようとしたのかもしれません。

また、原作者の野坂昭如氏は、阪神・淡路大震災前に、このような戦争体験から、神戸の街が災害に弱いと予言していたことでも知られています。

少しでも、野坂氏の体験が、戦争や災害で人が死ぬことを減らすのに役立つなら、あの世でのお酒も進むのではないかと思います。

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