暑い日が続いていましたが、季節はもう秋です。
秋といえば、落ち葉や木の実のイメージです。
身近な木の実に、どんぐりや松ぼっくりがあります。
どちらも人が拾いたくなるものなのだそうです。
ただ、松ぼっくりが、そもそも何かと聞かれて答えられる人は、そう多くはないのではないでしょうか。
木の実と書きましたが、実は木の実ではありません。
被子植物の種を育てる部分、あるいは種が育った部分が木の実です。
松は裸子植物なので木の実はできません。
種を保護して、飛散するのに役立つ部分が松ぼっくりです。
地面に落ちているのは、鱗片の間にある種が飛散した後の抜け殻が地面に落ちているのです。
松ぼっくりは、枯れ木のようにも見えますが、落ちる前は、雨の日には笠を閉じ、晴れて乾燥すると開いて、種が飛散しやすいように動くもので、生きた植物そのものなのです。
この仕組みを真似して、汗をかくと生地が感知して通気をよくし、寒く乾燥すれば閉じて保温効果を高めるというスマートファブリックが開発されています。
以前このブログの記事でも書いた、ネイチャーテクノロジーの一種です。
松ぼっくりを秋の風物詩のように書きました。
実際、松ぼっくりは秋の季語です。
ところが、一年中、松にはついては落ちてを繰り返しているのだそうです。
秋のイメージは落ち葉や木の実のせいだと思います。
これだけ、一年中子孫を増やすために、頑張っていても、病害虫で枯れることもあります。
最近でも富士山で、カラマツが、松くい虫にやられているようです。
松くい虫という虫はいなくて、正式にはマツノザイセンチュウという小さな虫が原因です。
小さすぎて、自分では木から木へ移動できず、マツノマダラカミキリに寄生して、マツノマダラカミキリが木を移動することによって、別の木へと移ります。
富士山でも、今年ほどの規模でカラマツが枯れるというのは記録を見る限り、ここ数十年は無かったようです。