今年も12月になりました。
高齢者が増え、健康の上でも、経済的にも、今年の冬は越せるだろうかと、心配する人が増えることになってきているということでもあります。
私の世代は戦争を直接知らない世代ですが、戦後、混乱期の中、経済的に苦しい人が多かったためか、助け合いの方法も多様だったように思います。
東京では、街中でも救世軍の社会鍋などの活動が見られる時期でもあります。
大阪では西成区の釜ヶ崎にあった「あいりん総合センター」が建て替えのために閉鎖され、その後周辺で野宿していた人たちの強制退去が始まりました。
土地を所有する大阪府が明け渡しを求めていたのです。
高度経済成長を支えた世代の人は減っているとは思いますが、この辺りに野宿している人の中にも日本の経済活動を支えてきた人はいるわけです。
法的に、居住する権利がないのだとしても、何らかのサポートがあっても良いのかなと思います。
中には行政と関わることを嫌う人もいるようですが、居住場所を失えば困るのは、正当な権利者と同じで、多少のお節介も必要なのではないかと思います。
そのための「あいりん総合センター」建て替えという意味もあるのかもしれませんが、今回の強制退去は、来年に控えている大阪・関西万博を意識していることは明らかです。
海外からのゲストに対して、日本の路上生活者を見せたくないのだと思います。
日本の現状を知ってもらうことも、世界の現在や未来を考えるうえで必要なのではないかと思いますが、国際的に大きなイベント時には、行政によって、このような排除の思想が伺える措置がとられることがあります。