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後ろ盾が撤退

シリア(シリア・アラブ共和国)の基地から、ロシア(ロシア連邦)軍が撤退を始めています。

未確認情報に基づく推測ということになってしまいますが、アサド政権崩壊の背景を探ってみたいと思います。

今回アサド政権の崩壊については、長期的に見れば、「アラブの春」の流れから、独裁政権が打倒されたとみることもできます。

これに対して、内戦状態が続き、国際的な批判の高まりもあり、アサド前大統領自身が潮時と判断したとみることもできます。

この他に、今回ロシア軍が撤退を始めたことから、ロシアが軍事支援を止めたい、あるいは減らしたいと言い出した可能性もあります。

ご存じのように、ウクライナとの戦争が始まっていますので、他国の支援をしている場合ではないのです。

シリアを支援する余裕があるのなら、少しでもウクライナの前線に軍隊を回したいという気持ちが出てきても不思議ではありません。

とはいっても、アサド前大統領としては梯子を外されることになりますから、何らかの補償は求めることになります。

それが今回のアサド前大統領のロシア亡命とみることもできるのです。

ロシアは2015年にシリアに軍事介入した際の合意で、基地の敷地について49年間租借できることになっていますので、期間としては、まだまだ居続けられるわけです。

ロシアは、シリアの反体制派に対しても、基地の存続について打診しているといいますが、撤退が完了するまでに、軍事兵器を奪われないようにしたり、兵士の安全を確保するためとみることもできます。

いずれにしても、風向きの悪いシリアをこれ以上支援するメリットは、ロシアにはあまりないのだと思います。

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