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職務に忠実

非常戒厳を出した韓国(大韓民国)の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領に対して、内乱罪の容疑がかけられ、拘束令状が発布されていました。

高捜庁(高官犯罪捜査庁あるいは高位公職者犯罪捜査庁)は、尹大統領の身柄を拘束しました。

高捜庁側は、尹大統領の容疑が濃厚だとして、捜査のために身体を拘束したのです。

そのため、逮捕令状の請求もしています。

一方尹大統領側は、不当な身体拘束であり、身体拘束されれば、そのまま有罪ということになる可能性も高いため、徹底抗戦の構えを見せていました。

拘束令状発布後は、尹大統領の身体を拘束するために、高捜庁や警察の職員が出向いた際、大統領警護庁の職員が追い返していました。

再度、拘束に出向いた際は、そのままだと武力衝突になる可能性があるためか、尹大統領が出頭に応じました。

どちらの言い分が正しいのかは、これから捜査や、裁判の過程で明らかになってくるのではないかと思います。

今回評価したいのは、大統領警護庁の職員の対応です。

大統領を守るのが仕事ですから、容疑があるので大統領の身体を拘束しますと言われて、「はい、そうですか」とはいかないわけです。

銃器などの武器を使用することなく、拒否をし続けたことは評価できます。

更に、尹大統領の身体拘束後も、拘置所周辺の危険物の有無をチェックしたり、拘置所側と協議のうえ、独房の外で警護を続けています。

大統領に忠実というより、職務に忠実なのだと思います。

今回の拘束令状の執行にあたり、特殊公務の執行を妨害したとして大統領警護庁の朴鍾俊(パク・チョンジュン)長官が、辞任し、警察に出頭して捜査を受けています。

報道されている以外の、職務から離れて特に大統領をかばったなどの事情がないのであれば、仮に形式的に問題があったとしても、正当職務行為として違法性が阻却されるのではないかと思います。

尹大統領はもちろん、朴元長官についても適正な判断をしてもらいたいと思います。

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