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朱に交われば

徳島県阿南市で、国内最古となる、朱の原料となる鉱物の辰砂(しんしゃ)を採掘した跡が見つかりました。

単に古いというだけでなく、当時の先端技術を用いて採掘していたことがうかがえる遺跡なのです。

朱には特別な意味があるとされ、古代では死者の顔や棺に塗られていたことが分かっています。

中国(中華人民共和国)の古い時代に存在した漢では鉱物を採掘する際、薪などで、岩盤の表面を燃やして、もろくしてから採掘する火入れ法という採掘方法があったことがわかっています。

若杉山辰砂採掘遺跡では、その火入れの技法を用いて辰砂を採掘していたようなのです。

中国の歴史書「魏志倭人伝」にも、倭の山では丹が採れ、女王卑弥呼が、中国王朝に丹を献上したという記述があるようです。

丹とは、赤い色を意味し、必ずしも辰砂とは限りませんが、当時存在したもので、歴史書に記述するほど貴重なものなら、辰砂でほぼ間違いないと思います。

丹頂鶴は、頭のてっぺんが赤いから「丹頂」なわけです。

採掘に、先端の技術が用いられていたというだけでなく、それはおそらく大陸から伝わったのではないかと考えられるため、弥生時代にすでに、結構な人の交流があったのだと思います。

縄文人も、丸木舟などで、近海の海には乗り出していたようなので、弥生人はさらに遠くまで行ったか、大陸から流れ着いた人が伝えた可能性もあります。

ただ、卑弥呼も遣いを送って、金印を授かったことが伝えられているので、物だけでなく、当時、既に技術も伝えられていたのではないかと思います。

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