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漢字が使われていなかったといえようか

高知県南国氏市の若宮ノ東遺跡で発見された土器の破片に漢字が刻まれている可能性があることがわかりました。

弥生時代後期から古墳時代初期のものとみられています。

破片ですので一部欠けていますが、専門家の分析では「何」と「不」という文字の可能性があるようです。

「何不」であるとすると漢文でいう反語表現である可能性が出てくるので、日本最古の文章である可能性も出てきました。

壺の首から肩にかけて斜めに刻まれているようです。

偶然とは思えないため、少なくともこの時代に漢字が使われていたのかもしれません。

日本では、古い時代の文献が残っていないため、この時代も情報は考古学的資料が中心になります。

土器もこれまでは、模様が中心でしたが、ひょっとすると土器が盛んに使われていた後期の時代には漢字も使われていたのかもしれません。

四国で、このような土器が出土するということは、ここで作られたにせよ、他のところで作られたものがもたらされたにせよ、この時代に本州との人の行き来がかなりあったということも言えそうです。

当たり前と感じるかもしれませんが、当然、瀬戸大橋は無い時代です。

ちょっと行ってくるという感覚では移動できなかった時代です。

国産み神話の舞台ともなっている瀬戸内ですから、この時代に、四国にかけて有力豪族などが周辺に住んでいたのかもしれません。

若宮ノ東遺跡でなく、他の遺跡でも、文章が刻まれた土器が出土する可能性が出てきたといえそうです。

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