第266代ローマ教皇のフランシスコが帰天されました。
ご冥福をお祈りいたします。
ローマ教皇は、特にヨーロッパにおいては、未だに大きな影響力を持っています。
カトリック教会にとっては都合の悪い、聖職者による性的虐待の問題への対応や、自らの葬儀を派手に行わなかったことなどを見ても、第266代ローマ教皇のフランシスコは、その活動から人となりが伺えるのではないかと思います。
社会主義国にも寛容であったため、キリスト教徒が活動しにくい中国(中華人民共和国)とも融和ムードを作り出せた教皇でもありました。
葬儀の場で、アメリカ(U.S.A)のトランプ大統領とウクライナのゼレンスキー大統領が膝詰め談判を行い、トランプ大統領がウクライナの鉱物資源の権益への要求を一転させ、共同出資による資源開発で合意するという出来事がありました。
葬儀のために集まったヨーロッパ諸国の要人からの働きかけもあったようですが、フランシスコの側近だったピエトロ・パロリン枢機卿の働きも大きかったのではないかと思います。
おそらく、フランシスコの死を、ロシア(ロシア連邦)とウクライナの平和のために役立てることで、平和への貢献と、フランシスコの尊厳を高めたいという気持ちがあったのではないかと思います。
ロシアとウクライナの和平交渉が進むかどうかはわかりませんが、歴史的にはノーベル平和賞級の配慮だったといえるのではないかと思います。
普段はトランプ大統領の批判ばかり書いていますが、ウクライナの鉱物資源の権益で妥協したことを考えると、全くの悪人というわけでもないということなのかもしれません。
「死ぬこと以外はかすり傷」と言った人がいるようですが、トランプ大統領は、この裏を返して「人を殺すこと以外は大したことではない」という発想なのかもしれません。
キリスト教徒としての慈悲の心が顔を覗かせた出来事ではないかと思います。
その後、トランプ大統領は、SNSにローマ教皇に扮したAIによる生成画像を投稿し、顰蹙を買っています。
時期をわきまえず、単なるふざけ過ぎかもしれませんが、今回の件があるので、私としては珍しく擁護すると、同じキリスト教徒でもあり、ローマ教皇へのリスペクトの気持ちから、教皇のような格好をした画像を生成してしまったのではないかと思います。
リスペクトしていない立場の人の格好を真似しようとは思いわないと思いますので。
ローマ教皇庁が、国際紛争の仲裁機関として存在するわけではありませんが、ローマ教皇は、紛争当事国の間に入れる数少ない立場にあると思うので、ある程度リベラルな考え方のできる人が次の教皇に選ばれるといいなと思います。