6月6日は梅の日です。

なぜ、梅の日かというと、昔日照りが続いていた時期があり、1545年の4月17日に、現在の葵祭にあたる加茂神社の例祭で、後奈良天皇が梅を奉納して祈願したところ、大雨が降り始めたことに由来します。

旧暦の4月17日は、現在の6月6日にあたります。

梅には、特に青梅の実や、梅の柔らかい種には、天然のシアン化合物であるアミグダリンなどが含まれます。

動物に食べられないように、梅が実を守っているのだと思います。

アミグダリンが、体内で分解されると青酸に変化します。

梅から合成される青酸の量は大した量ではないので、命の危険にさらされることはあまりないと思いますが、青梅を生のままや、種が柔らかいまま食べると、めまいや、頭痛、吐き気をもよおすことがあります。

熟成した梅や硬くなった種では、だいぶアミグダリンの量も減ります。

火を入れたり、干したりするとほぼ安心です。

これとは反対に、梅干しの場合、鉄分や塩分が含まれるため、食べると貧血性のめまいなどが改善される人もいます。

単に冠デーだからということではなく、なぜ後奈良天皇が、神様に梅を献上したのかを考えるべきなのだと思います。

神様に献上するほど、梅が貴重で、良いものだったということだと思います。

梅が実を守るためにアミグダリンが含まれていて、そのまま食べると健康に害がありうるものでも、手を加えて食べることで、貴重な栄養を摂取できるということです。

意外かもしれませんが、伝統的な製法の梅干しには植物性の乳酸菌も含まれ、カテキンが悪玉菌を抑制してくれるので整腸効果も高いのです。

何より、我々の先祖が代々食べてきて、安全性や栄養価は実証済みです。

日本で古くから食べられているものは、ありきたりで、つまらないもののように感じるかもしれませんが、食の安全性や栄養を考えると、結局昔から食べられているものが、安全で栄養価が高いということがわかります。

ただし、現在の大量生産では、昔と製法が異なったり、材料が異なる場合があるので注意が必要です。

安全で栄養価が高い物は、お値段もそれなりになる傾向があります。

少しでも、安く食べようと思うと自分で作ることが必要になります。