文部科学省の中央教育審議会の特別部会で、通常学級でも、「通級指導」で、自立活動だけではなく、各教科の教科指導も加える見直し案が提案されています。
教育関係者でないと、伝わりにくい話です。
私も専門ではありませんが、ややこしいので、この提案内容の説明を試みたいと思います。
まず、自立活動とは、特別支援教育の一環として行われている生活リズムやコミュニケーションなどの指導をいい、通常、教科の指導は行いません。
通常学級で、教科指導はもちろん行われますが、授業での指導がメインです。
これとは別の自立活動の指導が行われる生徒に対して、教科指導のフォローは行うことになっていなかったのです。
一方、学習面や行動面で問題を抱える発達障害の子などが在籍する特別支援学級というものがあります。
今回の話は、特別支援学級の話ではありません。
通常学級でも、学習や行動に問題を抱えている生徒がいることがあることから、そのような生徒に対して、通常学級での原則的な指導と特別支援学級での指導の中間のような「通級指導」(通常学級とは別概念です)と呼ばれる指導が、通常学級で行われることがあります。
あくまで、「通級指導」は通常学級に在籍していて、学習や行動に問題を抱えている生徒に対して、自立活動を中心に行われてきたものです。
通常学級に在籍している生徒すべてが「通級指導」を受けるわけではありません。
通常学級でも、学習や行動面に困難が生じている生徒が増えているため、これまでの「通級指導」に、各教科の教科指導を加えてはどうかという提案がなされているというのが今回の話です。
通常学級で、教科指導として通常の授業は行われています。
それに加え、学習面や生活面に困難を抱えているものの特別支援学級に在籍せずに、通常学級に籍を置いている生徒には「通級指導」として自立活動が中心に行われてきたけれども、学習面や生活面で問題を抱えている生徒が増えているので、不登校や非行の原因とならないように「通級指導」に各教科の学習面のフォローも加えていこうというのが今回の提案の趣旨です。
要するに、通常学級にいるものの、学習困難な子に、授業でのフォロー以外で、学習のフォローをする機会がほとんどなかったので、そのような子を対象に行われてきた「通級指導」に教科指導を加えたらどうかというのが今回の提案です。
特別支援学級の話ではありませんし、通常学級で、通常の授業のフォローが全くされてこなかったとか、通常学級に在籍している生徒全員がこの指導を受けるようになるということではありません。