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コーラ危機

アメリカ(U.S.A)トランプ大統領が、また波紋を呼びそうなことを言い出しました。

コカ・コーラにコーン・シロップを使うのをやめ、サトウキビ糖を使用することで、コカ・コーラ社と合意したと発表したのです。

これだとコーン・シロップだと問題があり、サトウキビ糖だと問題なさそうですが、どちらも糖なので、あまり変わらないのではないかと思います。

ただ、精製糖や、合成された糖は、吸収効率が高いため、血糖値スパイクを起こしたり、肥満につながりやすいということは言えるかもしれません。

コカ・コーラ社への働きかけのきっかけは、トランプ政権で健康福祉長官を務めるロバート・ケネディ・ジュニア氏にあるようです。

健康問題に関心が強いようで、以前からコーン・シロップの弊害を問題視していました。

ただ、トランプ大統領は、コーラ好きで有名なので、ロバート・ケネディ・ジュニア氏が健康上の理由から、コーン・シロップの使用を制限したいといっても、それを止めても不思議ではありません。

それなのに、トランプ大統領がサトウキビ糖への切り替えを進めたことには、いくつかの可能性が考えられます。

まず、コーン・シロップは安価に製造できる糖で、くせがなく、口当たりはよいが満足感が低いので、飲み過ぎてしまうということが言われています。

コーン・シロップではない砂糖系のコーラを製造している国もあり、味は実際に違うようです。

外国製のコーラを飲んだトランプ氏が、そちらの方がおいしいと感じ、サトウキビ糖に切り替えようと考えた可能性もあります。

ただ、個人的には、この可能性はあまり高くないのではないかと思います。

もう1つは、トランプ氏の支持基盤であるフロリダ州が、サトウキビの産地であり、政治的理由やビジネス上の理由からサトウキビ糖に切り替えると言い出した可能性があります。

先ほど砂糖を使ってコカ・コーラを製造している国があるといいましたが、アメリカも、かつてはその国のうちの1つでした。

かつてアメリカは、キューバ(キューバ共和国)産のサトウキビを使ってコーラを製造していたのです。

キューバのサトウキビ農園を保有していたのがアメリカ人地主でした。

キューバで、キューバ革命が起き、革命家がサトウキビ農園の小作人の解放を行ったのです。

これにアメリカは反発し、キューバのサトウキビからできた砂糖の輸入を制限したのです。

この後、日本でサツマイモから糖を合成する異性化糖の技術が開発され、この技術によって、アメリカの南部でとれるコーンで製造されたのが、コーン・シロップです。

そのため、コーン・シロップというと、なじみがないかもしれませんが、もともと日本で開発されたものですので、清涼飲料水の原料に「ブドウ糖・果糖・液糖」と書かれているのが同じものとお考え下さい。

アメリカでコーン・シロップは、コーンから作られるコーンスターチを原料にするもので、アメリカ南部にコーンベルトが広がるきっかけにもなったわけです。

キューバ革命によって、コーン・シロップが広まっていくことになったといっても過言ではありません。

キューバ革命をきっかけとする、アメリカのサトウキビ糖の輸入規制により、キューバは当時のソビエト連邦に接近し、社会主義化が進んでいくことになります。

この頃登場したのが、アメリカ第35代大統領のジョン・F・ケネディで、今回コーン・シロップをやめると言い出したローバート・ケネディ・ジュニア氏の伯父さんにあたります。

何か因果めいたものを感じてしまいますが、その伯父さんであるジョン・F・ケネディが、暗殺された際の報告文書を、本来の公開期限よりも早く公開したのが、トランプ大統領です。

外国の製品に関税をかけまくっているトランプ大統領ですから、これから使用されるのは、キューバ産やメキシコ産のサトウキビ糖ではなく、アメリカ産のものかもしれません。

アメリカ産のサトウキビ糖を使った場合、値段は相当上がるのではないかと思います。

ジョン・F・ケネディはキューバ危機を乗り越えましたが、アメリカには、コーラ危機がやってきそうです。

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