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新しい革袋に入る古い酒

公認会計士協会の発表によれば、上場企業が2024年度に公表した決算についての不正会計が、過去最多の56社であったことがわかりました。

上場企業の場合、決算内容の公開が必要になりますので、市場での株式取引について、虚偽の情報が公表されていたということになります。

ガバナンスが強化される一方で、このような粉飾決算が後を絶たない原因の1つに、組織再編があげられるのではないかと思います。

もちろん、企業単体の風土として、社内で数字をごまかすこともやむなしという状態になってしまっている企業もあると思います。

しかし、それ以外に、現在は上場企業が合併などの組織再編を行うことは珍しくありません。

ベンチャー企業などのスタートアップが、独自の企業文化を育みながら上場企業になったとしても、大きくなる過程で、既存の企業を吸収したり、他社とくっ付くこともあるわけです。

既に上場企業の場合であれば、拡大のために他社を合併するということは普通に行われます。

その場合、合併した相手の企業の風土も取り込むことになります。

つまり、顧客や技術やサービスを取り込むだけでなく、脱税や粉飾決算のノウハウも取り込むことになるのです。

そのため、独自のコンプライアンス体制やガバナンスに時間やコストをかけていても、現場での規範意識の維持が図れなければ、簡単に不適切な処理が行われるようになってしまいます。

実際にはバレるまでは、それで都合がよいという企業もあるとは思いますが、本当に適切な処理を行いたいのであれば、会計処理以外の規範意識から変えていかなければなりません。

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