奈良県奈良市にある富雄丸山古墳から、昨年青銅製の鏡が3枚発見されていました。
富雄丸山古墳は、大きな蛇行剣が発見されたことで有名な古墳です。
発見されていた鏡のうち一番古い時代のものと推定される鏡と同じ種類の鏡が、中央アジアのウズベキスタン(ウズベキスタン共和国)のサマルカンド州にある紀元前1世紀頃の墓と推定される墓から出土していたことがわかりました。
こちらの鏡は、現在ウズベキスタンの博物館に保管されています。
同じ種類という表現ですが、両方の写真を見ましたが、鏡写しでそっくりです。
これらの鏡は、虺龍文鏡(きりゅうもんきょう)という種類の鏡で、蛇や龍をデザインした文様が特徴です。
奈良市では、再来年に開催が予定されている奈良国立博物館での、サマルカンド市との特別交流展で、両国の鏡を一緒に展示する予定です。
費用が1000万円程かかるようなので、ふるさと納税で支援を呼びかけています。
寄付してもよいという方は、ふるさと納税で奈良市に協力してあげてはどうでしょうか。
富雄丸山古墳で見つかった3枚の鏡はいずれも作られた時代が異なるようです。
富雄丸山古墳は、4世紀後半頃の古墳といわれています。
今回、話題になっている虺龍文鏡は前漢の時代に現在の中国(中華人民共和国)で作られていたもののようですので、鏡自体は紀元前1世紀ごろ作られたのではないかと思います。
そうすると、紀元前1世紀に作られて間もなく日本に伝わり、日本で保管されていたのか、中国で保管されていたものが4世紀後半までに日本に伝えられたのか、に興味がわきます。
また、異なる時代の鏡を古墳に収めることにどのような意味があったのかにも興味がわきますし、今回同じ種類の鏡というだけでなく、日本とウズベキスタンで同じ副葬品を墓に収めていたということもとても興味深いです。
これは、前漢の王朝が、外国の要人が亡くなると、鏡を贈っていたのか、他の目的で贈ったものが、副葬品として埋葬されたのかにもかかわってきます。