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李下に冠を正さず

サントリーホールディングス株式会社の元会長新浪剛史氏が、経済同友会の代表幹事を辞任しました。

事実上、違法薬物騒動での責任を取る形です。

現時点では騒動であって、まだ完全アウトということではありません。

新浪氏は、海外にいる知人女性から、新浪氏宅に届けられたサプリメントと同じルートで日本に違法薬物が届いていたため、家宅捜査を受けていました。

日本での中継役は知人女性の弟でした。

新浪氏は、サプリメントの送付は頼んでいないと主張し、日本に届けられたサプリメントが違法薬物である認識はなかったとして潔白を主張していました。

確かに、届けられたサプリメントはCBD(カンナビジオール)で、CBDだけなら日本でも違法薬物とはなりません。

ただ、このサプリメントはTHC(テトラヒドロカンナビノール)を基準地上に含んでしまっていたため日本では違法薬物にあたるわけです。

問題は、新浪氏に、サプリメントにTHCが基準値以上に含まれている薬物だという認識があったのかという点です。

これについて、新浪氏は違法薬物という認識はなく、CBDだと思っていたと言っている以上、確かめようがないのだと思います。

表示があれば即アウトだと思いますが、CBDだと思っても不思議ではないサプリメントなのだと思います。

マスコミは、言い訳ととらえて、犯人扱いのところもあります。

私はかばおうとしているわけではなく、怪しくても決定的な証拠又は有罪の確証がない以上犯人扱いをしては駄目だと思うのです。

これまでの事実関係を確認しておくと、

1 日本に送られてきたサプリメント自体は、CBDを成分とするものであるが、THCを基準値以上に含んでしまっているため違法薬物ではある

2 その違法な成分を基準値以上に含んでいるサプリメントは、違法な成分が基準値以上であることが一見してわかるものではない

3 新浪氏本人は知らなかったといっている

ということです。

ただ、要職の辞任はやむを得ない部分もあると思います。

犯人扱いはすべきではありませんが、新浪氏の認識にあったCBDは、合法的とはいえCBD自体も大麻由来の成分ですから、時差ボケ解消のためとはいえ、わざわざ使う必要はないわけです。

他の時差ボケ解消方法ではなく、合法という認識のもとであったとしても、CBDを勧められて使ってしまっていること自体が、脇が甘いといわれても仕方ありません。

日本に送られたサプリメントも、日本では所持しておらず、不審な配達物は処分するように家族に言ってあると釈明したのですが、家族に不審なものを処分させるぐらいなら、自分にCBDを勧めてくる人間とは距離を置くべきではなかったかと思います。

それでも、家宅捜索で違法薬物は発見されず、尿検査も陰性であった以上、犯人扱いはすべきではありません。

リーダーシップをとる人間には、反対勢力がつきものですが、簡単には引きずりおろされないだけの警戒心は持っていてほしかったと思います。

今回の件以外でも新浪氏の素行を問題視する向きもあり、それを理由に要職を辞任させたい人がいるとすれば、そのような声を押しのけられるだけの、自らの主張に対する説得力やそれを支持する味方がいない状態では、辞任もやむを得ないかと思います。

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