琵琶湖の湖底に、縄文時代初期の頃の物と思われる土器が沈んでいることがわかりました。
滋賀県の琵琶湖には、葛籠尾崎(つづらおざき)湖底遺跡と呼ばれる遺跡があり、これまでも漁での底引き網などにひっかかり、土器が発見されることがありました。
今回の調査では、最新鋭の水中スキャナーが使用され、湖底の状態が明らかになりました。
この遺跡のすごいところは、1万年以上前の物とみられる土器が、ほぼ無傷のまま残っているのだそうです。
地中で見つかる土器は、まず割れていたり、欠けていて、そのままの形で残っているということはほぼないそうです。
ところが、葛籠尾崎湖底遺跡の場合は、ほぼ完全な形で残っていることが、3Dデータを映像化し確認できているそうです。
琵琶湖は、湖ですが、近くで見ると、風などで波も起こっているようですが、海に比べれば潮の満ち引きの影響を受けにくいため、土器などの保存にはよかったのだと思います。
地殻変動により沈降が進み、土砂で埋まらなかったことが幸いしたようです。
連続的に沈降が起こったことにより、周辺の土器が集まった可能性もあります。
興味深いのは、土器の近くには、形式が8千年以上も新しい古墳時代のものと思われる土師器なども確認できたそうです。
同じ時代に使用されていたものなのか、異なる時代に使用されていたものが、近くに移動したものなのか、これからの調査に期待したいと思います。

