日常でも使う言葉だけれども、法律屋独特の読み方をする用語があります。
例えば「兄弟姉妹」は「きょだいしまい」と読みますが、条文などに出てくると「けいていしまい」と読みます。
その他「遺言」は日常「ゆいごん」と読みますが、法律屋は「いごん」と読んだりします。
「ちょっとよそ行き」の表現であることに意味があります。
現在の法律は漢字とひらがなで表記されるものが多いですが、漢字とカタカナで表記されていた時代は表現も文語調でした。
「橋梁ヲ壅塞シテ」=「きょうりょうをようそくして」などと出てきても、なんのことだかピンときません。
橋を塞いだらという意味ですが、現在はそのまま「橋を閉鎖したら」という表現に変わっています。
法律自体は欧米からの輸入ですが、その前に漢文が輸入されていて、両者を併せて新しい法律を日本に取り込もうとした結果、ちょっとよそ行きの表現になってしまった。専門的な意味をもたせるために日常用語と異なる読み方をする必要があるものもあったのでしょう。
それでも、もうそろそろ自分たちが普段使う言葉に近づけようというのが現在の現代語、漢字ひらがな表記の条文です。