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知財についての下請けイジメに公取動く

大企業が優越的な立場を利用し中小企業に独自技術を提供させているという声が公正取引委員会に複数寄せられているようです。

中小企業の持つ知的財産を狙った下請けいじめが発生しているのではないかと問題になっています。

いわゆる独占禁止法に違反するのではないかとして公正取引委員会が実態調査に乗り出すと報道されています。

具体的には契約打ち切りをちらつかせ独自技術の詰まった図面を提供させたり、ノウハウを提供させるという手口のようです。

これは取引について力関係を利用し知的財産権を有する中小企業の技術やノウハウを吸い上げてしまおうとするものですが、過去には組織再編の手続きを利用して中小企業の技術を取得してしまい残った分割会社を破産させて訴訟に発展したケースもありますので少しご紹介します。

ザックリとではありますが事案をご紹介すると

1 まず独自技術を持つ中小企業を会社分割により分割してしまい、大企業側の出資する新設会社に独自技術を移します。
2 この後中小企業の残った分割会社を破産させてしまったという事案です。

訴訟では必ずしも技術目的ではなかったという認定がなされたようです。

実際の吸い上げた技術も特許審査請求期間などの関係から新設会社で利用することが難しかったり、会社分割時に使ったお金の一部が回収困難になっていることなどから被告となった大企業側の責任は否定されました。

この裁判は会社分割の際の出資についての株主間契約や株式譲渡について賛成した取締役への責任追及という争い方をしたもので限定された範囲に関する判断です。

訴訟は原告である中小企業の主張が認められず被告となった大企業側の勝訴のように見えますが、大企業側があまり得もしていないような微妙な事案です。

ただ、この事案に法律の専門家が関わったことは明らかですから、組織再編の手続きを利用して中小企業の技術を吸い上げる事がやり方によっては可能であるかのような印象も与えかねず、技術を吸い上げる目的で同様の事案が発生しなければよいなと思っています。

中小企業の役員の方はご注意を。

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