遺産分割の制度が変わりそうです。
これまではいつでも遺産分割協議はできました。
そのため遺産分割協議がされないままの所有者不明の土地が増えてしまったため、相続開始から10年に限定しようという話が出ています。
期間は改正法の内容次第なので変更があるかもしれませんが、これから法改正の手続きが進んでいきます。
来年早々に報告書がまとめられ2020年の国会で改正法の成立を目指します。
現行法での遺産分割がいつでもできるといっても実際にはきっかけとなる時期はありました。
その一つが他の法制度で定められた期限が終了するタイミングです。
例えば相続放棄ができるのは相続及び自己が相続人であることを知ったときから3ヶ月以内です。
他にも同様の期限が定められた制度がありますので、それらの期間が経過したタイミングで遺産分割協議の話し合いが持たれることがあるようです。
まだまだ仏教徒が多い国ですので四十九日法要で親族が集まったのをきっかけに遺産分割協議の話し合いの場が設けられるということもあります。
他に法律屋は見落としがちなのですが相続税の申告というのもあります。
相続税の申告は相続開始から6ヶ月以内に申告しなければならないのですが、現行法では相続税の申告時に「相続申告期限後3年以内の分割見込書」を税務署に提出すれば相続税の特例措置を受けることができます。
遺産分割をしていれば相続財産に応じて納税するはずのところ、遺産分割していないために余分に納税していることになるかもしれないからです。
このようにいくつか遺産分割のきっかけは考えられますが、それでもまだ時期が早いと先延ばしになり、放置されることがあるため、今回の法改正の話が出てきているのです。