社外取締役を選任する上場企業が増えています。
社外取締役というのは簡単にいうと会社の息のかかっていない人がなる会社の監督的な機関です。
東証一部上場企業では9割以上の会社で社外取締役が2人以上いる状態になったそうです。
このまま取締役全体の3分の1以上の数に進んで行くことになるのではないかと思います。
会社法に規定のある機関なのでこれを活用するのは何ら変わったことではありません。
ただ意思決定を監督するための機関が機能しているかどうかは定かではありません。
上場企業の不祥事が後をたたないからです。
社外取締役のなり手が少ないため責任が軽減するように法改正されたりしました。
もともと会社法はしょちゅう改正がある法律ですが、社外取締役ができたのは取締役の意思決定に問題があると考えられたからです。
企業の不正を是正するために外国の機関設計の真似をして取り入れられたものです。
上場企業が社外取締役の設置をするのは東京証券取引所などの日本取引所グループが社外取締役の設置を定めたコーポレートガバナンスコードを公表したことも利用が進んだ理由の一つです。
社外取締役のなり手が少ないため責任が軽減するように法改正されたりしました。
このような事情もあり東証一部上場企業の9割以上で2以上社外取締役の設置が進んだものと思われます。
現在の会社の機関設計は複雑で取締役会設置会社かどうか公開会社かどうかで必ず設置しなければならない機関が異なります。
株式会社が社外取締役を設置しなければならないのは
1 特別取締役による議決の定めがある場合
2 監査等委員会設置会社の場合
3 指名委員会等設置会社の場合
です。
上記の要件を満たす会社は公開会社がほとんどです。
そため上場会社で社外取締役が選任されることがほとんどです。
会社法は人工的に作られた法人についての規定なので定義がややこしいです。
少し用語について解説しておきます。
公開会社というのは株式に譲渡制限が付いていない株式を1株でも発行できる会社をいいます。
公開会社と上場会社は意味が異なりますが、ほとんど重なります。
株式を上場するには公開会社でなければならないので事実上上場会社は公開会社です。
株式が公開つまり譲渡制限がない状態でないと市場で取引することができなくなるからです。
反対に公開会社は上場会社とは限りません。
ただ、上場会社ではない会社が株式を公開することにはあまりメリットがありません。
知らない人間に株式を取得され会社が乗っ取られる可能性が出てくるからです。
言い方を換えるとその人に株式が渡ってよいかどうかを確認するために株式に譲渡制限を付すことができるようになっているのです。
知らない人間、特に会社にとって良くない人間が入ってきては困る、しかし会社にとって気心の知れた人間ばかりではおかしな方向に会社が進んでしまう、このようなジレンマにさらされながら法律を作っていた結果、このような複雑な法律が出来上がってしまったのです。