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民法が変わります

最近、入管法の改正に関する記事が多かったので他の法律の改正についても書きます。

民法です。

入管法は批判がたくさん出るぐらい早く作られた法律ですが、民法は私法の主要な法律であるため時間をかけて作り、公布、施行までの期間が十分に取られています。

改正する改正すると言っていつまで経っても変わらないじゃないかと思っている方もいらっしゃるかもしれません。

民法は私法の主要な法律ですから社会に与える影響が大きいため周知する期間をとっているのです。

改正されるポイントについての情報が国民に伝わる期間をとってから施行されるのです。

今回の改正は主に債権法の改正と言われています。

実際は債権法だけでなく民法総則の規定なども一部改正されます。

社会の実情に合わせたり、条文の規定が不十分だったところで出ていた判例法理に基づく改正などです。

例えば今までバラバラだった債権の消滅時効期間を5年にしたり、法定利率を3%に下げ3年毎に利率を見直す変動金利が採用されることになっているのは社会の実情に合わせた改正の例と言えます。

債権の種類によって3年、5年、10年と消滅時効の期間を区別する合理的根拠が乏しいことや、世の中は景気変動により金利が上下するのに、一律法定利率を固定しておくのは合理性がないのではないかという判断によるものです。

当事者間で利率について合意がない場合は変動金利の規定が適用されることになります。

判例法理に基づく改正の例としては意思無能力による法律行為の無効が挙げられます。

明治の頃の古い判例がありましたので現行民法でも意思能力のない者のした法律行為は無効とされています。

これは制限行為能力制度によって意思能力の低いものを保護しようという規定があるので、意思無能力の者についてはあたりまえ過ぎて書いていないのだと考えられていました。

今回は改正に伴い明文化しました。

現行法の運用でも無理のない解釈だったと思うので、この改正の背景には認知症など意思能力がない人がこれから増えてくるという事情も考慮したものと思われます。

この他にもいろいろ改正点がありますので、また別の機会に書きたいと思います。

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